Presentation Stage B 15日(木) 13:40-14:10
[medU-net]長崎大学

土谷智史

腫瘍外科・准教授

生体内微小環境を再現したex vivoがん治療評価モデル

これまでの癌研究や抗がん剤の薬剤開発では、培養皿で培養された癌細胞を用いた抗癌剤のスクリーニングが行われてきたが、2次元の堅い培養皿上の細胞は、多くの細胞と相互作用しながら3次元で生きている細胞と同じではない。我々は肺の脱細胞骨格を用いた再細胞化肺の創出・移植の研究を行ってきた。この技術を応用し、小型再生肺上にヒト癌を播種することによるex vivo肺癌モデルの作製に成功した。手法として、界面活性剤で脱細胞化したラット肺の細胞骨格上に細胞を播種させて小型再生肺を創生した。この再生肺上にがん細胞を直接注入、生着させて腫瘍を形成、その上で薬剤の抗腫瘍効果を確かめた。本モデルは、生体内の微細構造を再現しており、gefitinib投与では正常細胞を残しながら抗腫瘍効果を認めたが、その効果は培養細胞に対するものとは異なっていた。本モデルは改良の途上であるが、がん研究を含む様々な疾患研究のex vivoモデルになりうる。

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